外構工事では建築基準法や建築学会基準等の各種基準に合致せずに施工が行われることが多々あります。
利益を上げるために手抜き工事を行う悪質なケースも少なからずありますが、昔と比べると減ってきています。それよりも、設計者がそもそも理解をしていない場合や、施工後のことを想像できていない、現場を管理する担当者が基準や規格を理解できていない場合が多く見られます。
外構業者は専門性の高い業種でありながら、資格を持たずに事業を行うことができます。そのため技術的な専門知識を持たない業者が経験論や見よう見まねで設計、施工、管理していることもあります。 間違った設計のまま完成してしまうと、お客様やご家族の安全を脅かし続けることになり、最悪の場合ご家族や他人の命を奪うことになります。
2018年に発生した大阪北部地震では小学生が倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなるという痛ましい事故も発生しました。本事故後、小学校周辺で使用されているブロック塀を撤去してフェンスに作り替える工事が全国で行われました。しかし、専門家から見れば根本的な原因はブロック塀ではなく設計、施工不良であることは明らかでした。公共施設である小学校の工事ですら、このような状況にあります。
写真の右側が新築外構工事をした住宅で、奥が道路です。新築外構のブロック+フェンスが駐車場の途中で終わっています。また、駐車場の土間コンクリートにスリットが入っていますが、低地の既存住宅街に排水されるという設計になっていました。降雨が続くとお隣の住宅所有地の道路が冠水して徒歩で行き来できなくなってしまいます。命に関わることではありませんが、自宅の外構工事をしたことで元々あった隣の家に水が流れ込むといったことが起きると、トラブルにもつながりかねません。
外構工事は無資格で業務を行うことができるとはいえ、お客様の安全や快適性を確保したり、近隣に悪影響を与えないようにするためには各種基準や構造、材料の知識を有した上で設計、施工、管理を行うことが求められると考えています。アウトサイド設計ではお客様に安心して使用していただける空間を提供できるよう、継続的な学習を行い、各種関連資格の取得を進めることで技術力を向上できるように努めています。