外構工事の際、アプローチや駐車場、駐輪場に用いられる舗装にインターロッキングブロックがあります。
足元をおしゃれに彩ることができ、石材やタイルよりも費用も抑えることができる材料です。
今回はインターロッキングブロックについてお伝えします。
1.インターロッキングブロックとは
アプローチや園路、駐車場、駐輪場などに用いられるコンクリートの舗装です。
公共工事では歩道、公園、広場などでもよく見かけます。
インターロッキングブロックが正式名称ですが、「インターロッキング」、「インター」等と呼ばれることもあります。
インターロッキングブロックは1950年代にドイツで開発された材料です。
日本には1974年に持ち込まれ、現在でも多くのメーカーが製造しています。
ブロックを敷きならべて施工しますが、隣のブロック同士がかみ合い、荷重を分散させることで大きな荷重にも耐えることができます。
下地にコンクリートを打たず、ブロックを並べて施工するのが特徴です。
そのため、何かあった際には一部を撤去して再敷設することもできます。
東日本大震災の時にはたくさんの道路が破損しましたが、インターロッキングブロックが使用されていた多くの場所では一度撤去したブロックを再敷設し復旧が行われました。
いざという時には部分的に撤去して再敷設できるという点は、戸建て住宅の外構でもメリットと言えます。
2.施工費用
価格は使用する商品によって異なります。
安い商品を使用すれば、土間コンクリートと同程度の価格となります。
表面加工が施されている商品や、機能が付加された商品は価格が上がりますので、その分全体の費用は上がってゆきます。
しかし、石材を使用するよりは費用を大きく抑えることができます。
3.原料と形状
インターロッキングブロックはコンクリートで作られています。
グレーの基層と、色がついている表層を合わせた2層構造になっています。
基層は安価で強度が高いコンクリートを使用しています。
表層は施工後に見えるので、基層よりも価格が高めの砂や着色するための顔料が使用されています。
表層に遮熱材料が使われていたり、加工が施されている製品もあります。
真横からみてみると、2層構造になっているのが良く分かります。
メーカーによって異なりますが、リサイクル材料である「エコセメント」や「高炉スラグ微粉末」を使用されていることもあります。
このような製品であれば、使用するだけでエコに貢献することができるのでオススメです。
製品を裏から見てみると、このようになっています。
外周には目地キープと呼ばれる突起が付いています。
これにより、敷きならべるだけで等間隔に目地ができます。
写真はドイツで撮影してきた16cmの厚さの製品です。
本場ドイツでは厚さのある製品をラインアップして、交通量の多い場所にも積極的に採用しています。
日本では厚さ6cm、8cmの2種類が主流です。
ブロックのサイズや厚さは使用する場所ごとに決められています。
特に自動車が乗る場所では使用できるサイズに制限が出てきますので、良く確認しておく必要があります。
4.インターロッキングブロックの機能
インターロッキングブロックには機能が付いている製品があります。
同じ舗装でも、これは石材や土間コンクリートとの大きな違いであると言えます。
4.1透水タイプ
出典:エスビック https://www.s-bic.co.jp/
製品自体が水を通す機能を持っています。
製品からしみ込んだ水は、下の路盤や地面に浸透してゆきます。
これにより、水たまりや泥はねを防ぐことができます。
また、地中の微生物などの生態系の保全にもつながります。
4.2遮熱タイプ
温度が上がりづらい工夫がされています。
太陽光の赤外線域の反射率が高い材料や、蓄熱しづらい材料を使用しています。
遮熱性インターロッキングブロックは日中の蓄熱を抑えることができます。
そのため、夜間の熱放射を抑えて快適性を高めることができます。
当社で遮熱性インターロッキングブロックを使用する場合には、(一社)インターロッキングブロック舗装技術協会の定める「クールブロックペイブ」の認定品をオススメしています。
4.3保水タイプ
遮熱タイプ同様、温度上昇の抑制を目的としています。
製品内部に水を多く保っておくことができます。
路面から水分が蒸発することで路面温度を低減させます。
ただし、乾いてしまうと温度低減効果は無くなってしまうため、降雨がない場合は打ち水などが必要になります。
また、乾きづらいためカビやコケが発生しやすいというデメリットもあります。
そのため、近年は遮熱タイプの人気が高まっています。
4.4植生タイプ
リビオ[ai]緑化80 出典:エスビック https://www.s-bic.co.jp/
ブロックの隙間に植物を植えることができます。
上からは見えませんが、ブロックの下の方はしっかりかみ合っていますので、ズレることはありません。
芝刈りなどの手間が増えてしまうことから、戸建住宅の外構での採用はそれほど多くありません。
5.施工方法
インターロッキングブロックは施工が非常に重要です。
しっかりとした施工を行わないと、施工後に凸凹ができてしまったりします。
また、下地にコンクリートを打つケースも見られますが、インターロッキングブロックのメリットがなくなってしまいます。
インターロッキングブロックは施工による仕上がりの差が大きいので、しっかりと施工できる外構工事会社を選ぶことが重要です。
まず、砕石で路盤を作ってゆきます。
砕石が濡れていますが、これはしっかり転圧できるように水を撒いたためです。
乾いた砕石はいつまで転圧しても締まりません。
次に敷き砂と呼ばれる、クッション砂の層を設けてブロックを並べます。
砕石や敷き砂は、使用する場所によって厚さが決められています。
端部は必要に応じて切断加工して入れてゆきます。
この後、目地に目地砂を入れて転圧、目地砂の再充てんを行います。
目地砂はブロック同士のかみ合わせに重要な役割を持っているので入念に充てんする必要があります。
6.DIYでの施工
インターロッキングブロックは「生コンクリートを使わない」「並べて施工できる」ということでDIYでも施工しやすいように思えます。
DIYで施工する場合は以下の内容を考慮する必要があります。
幅1.2m×長さ8mの通路(約10㎡の面積)で考えてみます。
・施工部分の土を約20cm掘ります。(2㎥)(軽トラ2.5台分程度)
・掘った土を捨てます。(2㎥)
・砕石を入れます。(1㎥)
・砕石を転圧します。(コンパクターが必要)
・敷砂を入れます。(0.3㎥)
・敷砂を平たんに均します。(想像より難しい)
・インターロッキングブロックを用意します。(1,300kgの重さ)
・インターロッキングブロックを敷きならべます。
・切断が必要な場所は切断加工します。(切断工具が必要)
・目地砂を入れます。
・転圧をします。(コンパクターが必要)
これに加え、勾配を確保したり、端部固定用の縁石の施工も考えなければなりません。
また、下地の仕上がりが悪いとすぐに凹凸ができたりします。
そのため、最低でも下地まではプロに任せることをおすすめします。
7.まとめ
インターロッキングブロックの舗装について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
インターロッキングブロックは外構工事で良く使われますが、正しい知識と施工が必要な材料でもあります。
アウトサイド設計では、インターロッキングブロックの専門資格の有資格者がしっかりと設計、施工管理します。
興味がある方は以下のコラムもご覧ください。
インターロッキングブロックについては協力会社の株式会社街路様のホームページもぜひご覧ください。
株式会社街路様 ホームページ
株式会社街路様 遮熱性インターロッキングブロック技術ページ
https://www.gairo.co.jp/technology/
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